「高血圧を放置するとどうなる?」
高血圧(Hypertension)は「サイレントキラー」とも呼ばれ、自覚症状がないまま進行し、心臓、脳、腎臓などの重要な臓器に深刻なダメージを与える可能性があります。最新の研究では、高血圧を放置することが、さまざまな健康リスクを高めることが明らかにされています。
🫀 心臓への影響:心不全や心筋梗塞のリスク増加
高血圧は、心臓に過度な負担をかけ、以下のような心疾患のリスクを高めます:
- 冠動脈疾患:高血圧により動脈が狭くなり、心筋への血流が減少し、狭心症や心筋梗塞を引き起こす可能性があります。
- 心不全:心臓が血液を十分に送り出せなくなり、全身の臓器に影響を及ぼします。
- 左心室肥大:心臓の左心室が肥大し、心機能が低下します。
これらの状態は、心臓の機能を低下させ、最終的には心不全や突然死のリスクを高めます。
🧠 脳への影響:脳卒中や認知症のリスク増加
高血圧は、脳の血管にも悪影響を及ぼし、以下のようなリスクを高めます:
- 脳卒中:高血圧により脳の血管が破裂したり、血栓ができやすくなり、脳卒中のリスクが増加します。
- 認知症:高血圧は、血管性認知症やアルツハイマー病のリスクを高める要因とされています。
特に、高齢者においては、高血圧を適切に管理することで、これらのリスクを低減できる可能性があります。
🩺 腎臓への影響:慢性腎疾患や腎不全のリスク増加
腎臓は、血液をろ過して老廃物を排出する重要な臓器です。高血圧により腎臓の血管が損傷し、以下のようなリスクが高まります:
- 慢性腎疾患(CKD):腎機能が徐々に低下し、最終的には腎不全に至る可能性があります。
- 腎不全:腎臓が正常に機能しなくなり、透析や腎移植が必要になることがあります。
高血圧は、糖尿病と並んで、腎不全の主要な原因の一つとされています。
👁️ 眼への影響:視力障害や失明のリスク増加
高血圧は、眼の細い血管にも影響を及ぼし、以下のようなリスクを高めます:
- 高血圧性網膜症:網膜の血管が損傷し、視力低下や失明の原因となることがあります。
- 視神経障害:視神経への血流が減少し、視力障害を引き起こす可能性があります。
これらの状態は、早期に発見し、適切な治療を行うことで、進行を防ぐことができます。
⚠️ 高血圧性緊急症:緊急治療が必要な状態
高血圧が急激に上昇し、180/120 mmHgを超えるような場合、以下のような緊急症状が現れることがあります。
- 胸痛や息切れ:心臓への負担が急増し、心筋梗塞のリスクが高まります。
- 視力障害や意識障害:脳への血流が障害され、脳卒中のリスクが増加します。
- 腎機能の急激な低下:腎臓への血流が減少し、急性腎不全を引き起こす可能性があります。
これらの症状が現れた場合は、直ちに医療機関を受診することが重要です。
✅ まとめ:高血圧の早期発見と管理の重要性
高血圧は、自覚症状がないまま進行し、さまざまな臓器に深刻な影響を及ぼす可能性があります。しかし、定期的な血圧測定と、適切な生活習慣の改善、必要に応じた薬物療法により、これらのリスクを大幅に低減することが可能です。
主な対策:
- 定期的な血圧測定を行い、早期に異常を発見する。
- バランスの取れた食事、適度な運動、禁煙、適正体重の維持など、生活習慣の改善を心がける。
- 医師の指導のもと、必要に応じて降圧薬を使用する。
高血圧を放置せず、早期に対策を講じることで、健康な生活を維持することができます。
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