糖尿病とは｜血糖値が高い状態が続く慢性疾患
糖尿病とは、血液中の糖（ブドウ糖）濃度＝血糖値が慢性的に高くなる病気です。血糖をエネルギーとして体内で利用するには「インスリン」というホルモンが必要ですが、このインスリンが分泌不足または作用不足になることで糖尿病が発症します。
糖尿病を放置すると、心臓・脳・腎臓・目などに重大な合併症を引き起こす可能性があるため、早期発見と治療が重要です。
糖尿病の診断基準｜血糖値とHbA1cで判定
糖尿病の診断には以下の基準が使われます（日本糖尿病学会より）：
- 空腹時血糖値：126mg/dL以上
- 随時血糖値：200mg/dL以上
- 75g経口ブドウ糖負荷試験（OGTT）2時間値：200mg/dL以上
- HbA1c：6.5％以上
これらのうち、①血糖値の異常、②HbA1cの異常の両方を満たすと「糖尿病型」と診断されます。
一方のみ異常値だった場合は「糖尿病型」とされ、再検査後も基準値を超えていれば糖尿病と確定されます。
糖尿病の4つのタイプ
1型糖尿病
- 主に小児～若年者に発症
- 自己免疫により膵臓のβ細胞が破壊され、インスリンがほとんど分泌されなくなる
- 治療：インスリン注射が必須
2型糖尿病（日本人に最も多いタイプ）
- 中高年に多く、生活習慣と遺伝的要因が関与
- インスリンの分泌量低下、または作用の低下（インスリン抵抗性）が原因
- 治療：食事・運動療法＋内服薬 or インスリン
妊娠糖尿病
- 妊娠中に高血糖を初めて指摘される状態
- 出産後は改善することが多いが、将来的に2型糖尿病のリスク増加
その他の糖尿病
- 遺伝的異常（MODYなど）、膵疾患、薬剤性（ステロイド等）、内分泌疾患による二次性糖尿病
糖尿病の主な症状
初期には自覚症状がないことも多いですが、進行すると以下の症状が現れることがあります：
- のどの渇き
- 頻尿
- 倦怠感（疲れやすい）
- 体重減少
- 皮膚のかゆみ、感染症の増加
糖尿病の治療｜目的は血糖値のコントロールと合併症予防
糖尿病治療の基本は、血糖値を正常に保ち、合併症を予防することです。
1型糖尿病の治療
- インスリン注射が必須
- 持続型・即効型インスリンなどを組み合わせて血糖コントロール
2型糖尿病の治療
- 生活習慣の改善（食事・運動）
- 経口血糖降下薬（DPP-4阻害薬、SGLT2阻害薬など）
- インスリン療法（必要に応じて）
食事療法のポイント｜適正なカロリー摂取を
糖尿病治療の柱は食事管理です。
✅ 適正エネルギー量の計算式
bashコピーする編集する適正エネルギー量（kcal）＝目標体重（kg）× 活動量（kcal/kg）
目標体重 = 身長(m) × 身長(m) × 22
| 活動レベル | 目安（kcal/kg） |
|---|---|
| デスクワーク中心 | 25～30 |
| 立ち仕事中心 | 30～35 |
| 重労働 | 35以上 |
糖尿病とスティグマ（偏見）について
日本糖尿病学会では、糖尿病に対する**誤ったイメージや偏見（スティグマ）**に対する注意喚起を行っています。
糖尿病は決して“自己責任”だけで発症する病気ではなく、遺伝や加齢、環境要因も影響します。
正しい知識と共感のある対応が重要です。
まとめ：糖尿病は「放置せず、知って予防」
- 糖尿病は進行性の病気ですが、早期発見と正しい治療で合併症は予防可能です。
- 血糖管理の基本は、食事・運動・必要に応じた薬物療法
- 正しい知識を持ち、医師と相談しながら適切なケアを続けましょう。
✅ よくある質問（FAQ）
Q. 糖尿病の初期症状はありますか？
→ 自覚症状がないこともありますが、のどの渇きや頻尿、疲れやすさなどが見られることがあります。
Q. 糖尿病は完治しますか？
→ 1型糖尿病は完治しませんが、コントロールは可能です。2型糖尿病も生活習慣改善で改善することがあります。
虎ノ門メディカルクリニック
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